caprinの更生日記

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ソフト業界全体の問題です。 (笑わないプログラマ)

http://s03.2log.net/home/programmer/archives/blog20050902.html

たとえば、家を建てようと思って、工務店に発注するときに、
「どんな家にするか詳細は決まっていません。」
「一ヵ月後に住みたいのでそれまでに建てて。」
「3000万円かかる?高いから1500万円にして。」
「大工が足りない?24時間働いて建てればいいじゃない。」
「やっぱり、二階にも便所ほしいな。追加して。」
などというお客はいないよな。

 家などの場合、完成設計図を見せれば素人でもどんなものが出来るか想像出来るし、間取りを増やしたり庭をつけてなどの注文は素人でも出来る。(現実的にその予算とかその広さで出来るのかという問題はあるが、その問題は見えるものだけに双方の納得の元、具体的に話を進めていくことが出来る。) また、工務店側は、PCで3D表示した家のモデルを見せたり、ジオラマ模型で見せるというお客を納得させるツールも持っている。
 しかし、目に見えないソフトとなると、お客を納得させるのはなかなかに難しい。例えば、その会社ごとに作るような完全専用ソフトの場合はコードだけを見せられても素人にはなんのことかさっぱり分からない。また、見た目で分かるユーザーインターフェイスだけの外面だけを見ても結局ユーザーは中身の動きまでは分からないしね。

 だから、家やマンションでいう住宅展示場のようなお客を納得させる場所やツールが、ソフトウェア業界でも大事なんだが、まだまだソフト会社でそういう途中のソフトをおおやけに公開する場を大事にしているところは少ないと思う。「そんなデモを作っているような暇があるかっ!!」とか、「そんな時間あれば、本番のソースを書いてるよっ!!」とプログラマーからすればそうなるのだろうけど…。でも、仕様の公開、インターフェイスの公開だけでお客は納得しているのか!? また、ソフト屋からすれば公開したくないキモのコードもあるだろうから完全ブラックボックスでも本来はいいのだけど、それはあくまでブラックボックスが完全完璧にに動いている場合だけの限られる。その会社の専用ソフトととかになるとそれもなかなか難しいと思う。だいたいプログラマーから見たらとりあえず本番に出して実践テストをしながら、バグを直したりバージョンアップしようと企んでいるのだから…。
 完成品をパッケージで売る場合は、ユーザーがソフトの使い勝手を試せる試用版があるからまだマシなのかな!?と思っていたが、最近はそうでもない。完成版といっておきながら、矢継ぎ早にパッチが公開されて「あとはネットでユーザーがパッチを落としてください。」とか、さすだにそれは家の設計では無い話だな〜と思う。それを普通と思うのは、オンラインのネットゲーマーとかエロゲーユーザーだけで、普通のビジネスソフトならやっぱりそこはちゃんとして欲しいもんなんだけど。

 ま、そもそも「ソフトウェアの住宅展示場ってどんなんだよ!?」と言われると、プログラムの出来ない自分には具体的な形が描けない。ただ、なんとなくプログラマーにしか分からない言葉ばかりでペラい仕様書だけでは、お客は家の完成設計図ほどは理解出来ないんだよな〜。やはり、ソフトって見えないから難しい…、う〜ん、自分でも書いててなんだかわけわからなくなってきたぞ!?

 しかし、どちらにしろ無茶ばかり言う顧客になってはいけないが、落としどころを探せないソフト屋に未来は無い。歩み寄りのない顧客は駄目だが、顧客の真意を理解出来ないソフト屋も駄目だ。自分は、魔法のコードをつむぎ無から整然と動くロジックを作るソフト屋は尊敬するが、サポートでパッチで仕様変更で顧客から無尽蔵にお金を無心するソフト屋とは仕事したくない。お互い仕事であるなら、プロを徹底する、ただそれだけは意識してちゃんとしたいなあ。(限りなく希望)